学習ノート

小柳手技療法の学習 整体の基本 施術の心構え 

 
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   経絡を覚えるにはどうしたら良いのでしょう。
      「経絡は目に見えないものですから、感じることです」と言ってしまうと初学者には
      余計分からないことになります。

      では、難しいことは置いて置き、相手の方の身体に触れて感じることから始めましょう。
      指圧の大家で、増永静人先生(故人)の考案したその方法を見て行きましょう。

      下記の写真は14本の経絡の内の2本、すなわち、①手の太陰肺経と②手の陽明大腸経、
      両経絡の虚実を知るのに大変分かりやすいものです。
      上肢の伸展法、腕を伸ばしてどんな感じかを検査すると言っても良いでしょう。
    
    上肢の伸展法
  
目的 経絡の虚実を感じ、補瀉の施術を行う

  相手の腕を45度の角度に引き延ばす動作をします。
  その時に、力なく伸展し、経絡上の陥凹、芯のツッパリ感がある
  ようでしたら
弾力のある抵抗を示すようでしたらなのです。
  コツは右手で肩甲骨を少し引くようにすると上げやすくなります。

     虚実=力なく萎えるような感じが
で、反対に力が有り余っている状態がと言っても良いでしょう。
     どちらも良い状態とは言えません。力が余っているのだから良いじゃないかと思うでしょうが、そう
     でもありません。おとなしすぎる子、暴れてばかりいる子に例えると分かるでしょう。
     やはり
バランスが大切なのです。

     今度はその経絡=気の道筋を見て行きましょう。
     ここでは、ツボは覚える必要はないということです。
     ちょっと肩の荷が下りましたね。
     新幹線の通る道は覚えて欲しいのですが、駅までは覚えなくても良いのです。
     その代わりに
経絡と臓器の関係を頭にしっかり入れて下さい。
     そうしますと今後学習する際に理解しやすくなります。

      

     

    
始まりと書いてある所からご覧下さい。
    胃のイラストがあります。そこからスタートするのです。それを
流注といいます。
    水の流れをイメージすると良いでしょう。
    経絡を中国では14本の大河に例えたとも聞いております。

    胃から始まり、下へ降りて大腸へ行き、もう一度上に上がり、胃から横隔膜を貫いて
    両方の肺へと行きます。 喉を通り、心臓とも関わります。
    内臓から、表の腕に経絡は出てきます。地下と地上の様です。
    実線で書かれている所が表面の経絡です。経絡は分肉の間を走行すると古い本に書いてあります。
    筋肉と筋肉の間(溝)を走っていることが多いです。
    健康な時にはツボはあまり明確に触知できませんが、身体の具合の悪い時には分かりやすく出ます。

    ◎肺経は呼吸器と深い関わりを持つ経絡です。
    なぜ十四経発揮を学ぶ必要があるかと言いますと、表面に出てきた、肺経でしたら腕から手指までを
    知るだけではどうして呼吸器と関わるのかが理解できません。
    
    風邪をひいた時のことを思い出して下さい。
    喉が痛くなり、鼻水が出て、胸は苦しくなり、熱も出てきます。
    先程の内臓との関わりを見るとうなずけることでしょう。
    こんな風にしてそれぞれの経絡を理解して行きましょう。

    下にまとめたものを掲載しておきます。
    背侯診や腹診という言葉がでてきますが、これは背部や腹部で診断することです。
    反応する場所を書いたものです。

    気で感じることが大切なのですが、幾つかの診断方法がありますから、まずそれで覚えましょう。
    あとは実際に施術をしながら、触れて感じることです。
    自然に感覚が研ぎ澄まされてきますので心配はいりません。
   
   
    
1.手の太陰肺経  2.手の陽明大腸経
    

   参考文献ー走行:十四経発揮、症状:兼子、機能・精神面ほか多数:増永静人

1.手の太陰肺経 (LU) (11穴)/ 2.手の陽明大腸経 (LI)(20穴)

肺・大腸(分解・排泄作用)

走行

※流注

❶ 胃の辺り、中焦(中脘)から起こり、大腸へ(水分)下行し、再び胃の上に上行(上脘)、横隔膜を貫いて、両肺から喉、気管を経て、横に出て中府に行き、腋窩から腕の橈側を通り、拇指の橈側、小商で終わる。

❷支脈: 列欠から手背を通り第2指の撓側、商陽へ行き、手の陽明大腸経と交わる。

機能

生命活動の根元である気(エネルギー)を外界から受け,これを人体の元気にまで分解し,体内のガス交換と排出を行なう呼吸作用になる。

症状

中風や喘息になったりする人はこの経脈の急所が弱く、また腕が利かなくなったりする。

実:肺を悪くし、喘息を起こす。肩が張り、胸がつかえる。腕が痛む。風邪をひきやすく汗が出すぎる。ひどくなると中風になる。

虚:気抜けする。寝小便をする。心細くなる。黄色い尿になる。

精神面

虚:気を病み、胸を詰まらせる。神経質で過敏に反応する。気が小さい。活気がない。環境との交流が少ない。深い呼吸ができにくい。

実:精神的なことで胸が一杯になる。思いを抑え、発散できない。ため息をつく。

大腸

走行

❶ 肺経の列欠から流れて、第2指の撓側、爪甲根部の商陽から手の陽明大腸経は始まる。拇指と第2指の間、合谷から前腕の曲池より、上腕撓側を上行し、臂臑から、三焦経の臑会へ、肩髃、巨骨へ、巨骨から大椎へ行き、戻って缺盆へ、胃経を通り、肺をまとい、天枢で大腸へ至る。

❷ その別枝は缺盆より首を通り、下歯槽中に入って、上唇を回り反対側の小鼻の脇、迎香へと行く。迎香から足の陽明胃経と繋がる。

❸ 別絡は偏歴から出て肺経に連絡する。

機能

肺を肋けて実質的な栄養の分解排出に関係し,気の停滞をなくす働きがあり、気分の発散できないことや便秘,のぼせなどと関係してきます。

症状

歯痛、首の腫れ、目が黄色くなる、口渇、鼻血、喉の痛み、脾臓を悪くする。

実:経脈の通り道が腫れる。

虚:寒くて震え、温めても回復しにくい。

精神面

虚:気が抜けて、がっかりしている。積極性に乏しく、依頼心が強い。

実:自己を抑え、発散できない。悩みを言う相手が居ない。

 

   ● 肺経:反応部位 

    背中胸椎1~3とその周辺

    腹部左右季肋下部の最外端

 

   ● 大腸経:反応部位 

    背中:腰の両側、

    腹部:そけいに沿った部位で腰に手を当てた時の拇指と他の四指の端が位置する所。

     



            


     

                                                                
                                                   
    

 
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